もしかしたら自分らは
産業革命に匹敵するぐらいの
文明変革の時代に生きているのかもしれない。
子供の頃は調べものがあれば
「図書館に行って調べておいで」
そう言われる時代に育った。
広い図書館の中をあちこち探し回って
それらしい本を見つけてはページをめくり
探していた答えをやっと見つけ出した時の
満足感そして達成感がなつかしい。
まだPC(パーソナルコンピューター)という言葉すらなかった頃の話だ。
その後、家庭にコンピューターが入り
インターネットで世界と繋がる時代になり
今では誰もが簡単に検索をする。
欲しい情報はその場ですぐに手に入れることが出来る。
スマホが第二の脳とも呼ばれる時代だ。
この急激に進む社会の変化すべてを
一人の人間がその短い人生の中で体感している。
これってもしかしたら長い人類の歴史の中でも、すごい事なんじゃないかって思うんだ。
そして去年。
さらにすごい社会変化を起こしそうな "もの" の存在を知った。
生成AIだ。
AIで作成されたリアルな疑似映像がネット上に拡散しはじめた。
でもそれを規制する法整備は全く追いついていない。
著作権についてもアメリカの裁判所は生成AIに著作権を認めない方針のようだ。
人間が作った物にのみ著作権は発生する、という立場からだ。
これは言い換えれば誰でも生成AIの作品を好き勝手に流用出来てしまう事になる。
アメリカで俳優らがストライキを起こしたニュースは何度もテレビで見たが
個人的にそれよりも衝撃的だったのは生成AIで作成されたプーチンの演説映像だ。
映像を見たプーチン自らが、それを自身の影武者だと発言している。
そのあまりにもリアルな映像と音声に驚くと同時に、すごい恐怖も覚えた。
あれを見た人間は誰もが信じてしまうだろう。
もし何処かの国家が意図的に生成AIで作成した映像を
プロパガンダ的に流したとしたらどうなるか?
想像するだけでもぞっとする。
目や耳にするもの全てを、疑ってかからなければならない。
そんな世界が、すぐそこにまで来ているのかもしれないね。