もう10数年も前の事だけど、毎年今ごろになると思い出す。
二度と経験する事はないだろう、とても破天荒だったバスの旅。
舞台はアメリカ。
ある大きな音楽イベントのツアーに同行した。
移動手段は定員12名?の巨大なバス。
現地のスタッフはこれをツアーバスと呼んでいた。
(まんまだね笑)
なんとこのバスで、アメリカを一周したんだ。
バスの内部はこんな感じ。
バスに乗るとすぐにリビングがある。
ソファー、テーブル、シンク、冷蔵庫、電子レンジ等が設置されていた。
当時自分が使用していたノートPC(ThinkPad)がソファーの上に無造作に転がっている。
バスが走行中でも、常にネット接続可能な環境だったので助かった。
リビングの奥には寝室。
中央通路を挟むように3段ベッドが4台置かれていた。
ベッドはとても狭くて、昔の寝台列車みたいな感じ、と言ってもわかる人は少ないかな笑
寝室の奥がトイレとシャワールームで、その奥(バスの最後部)にも、小さなリビングがもうひと部屋あった。
そしてこのバスが自分の住み家となった。
3月に吹雪くデンバーで始まり、5月に雨のシアトルで終わったこのツアー。
夜通し走り、朝には知らない街の土地を踏み風を受け、多くの人と接し続けたバスの旅。
たぶんきっと地に足がついた旅の形だったんだと思う。買い物も洗濯も、はじめての街で右往左往しながら過ごした日々。
面積だけじゃない、アメリカという国の本当のデカさを心と身体で再認識した、決して忘れる事の出来ないバスの旅だった。