30代の記憶
北海道の釧路川を単独カヌーで下った。
FUJIのHD-Mという防水カメラを持って、カヌーの上から川下りの旅写真をたくさん撮るつもりだった。
その時はね。
釧路川は屈斜路湖から流れ出る河川だ。
当時乗っていた四駆(パジェロ)を屈斜路湖畔に停めて、車のフロントに張り紙をした。
「今から川を下ります。1週間以内に戻ります。」
(これって法律的にどうなのかな?違法駐車?笑)
湖面を漕いで釧路川への流れ出しに向かった。
川に入ると思った以上に流れが早い。
焦った。川下りを甘くみていた。
釧路川は急流は無いとの事前情報とは違い
何ヶ所も小さな落とし込み(小さな滝)があり、カヌーは2度転覆し溺れかけた。
強い流れで川底に押し付けられ回転して水面に上がれず、その時は本気で死ぬかと思った。
装備品のほとんどを流失した。
カメラも流れて行ってしまった😢
旅のアルバムは夢で終わった。
でも心の中の写真は今でも鮮明に残っている。
この時の経験が自分の財産になった。
何事も過信は禁物。無茶するな。
現場は何が起こるかわからない。
ちょっと大人になった😊
30代の記憶
少し訳ありの仕事で、内戦下だったカンボジアに行った。
成田で海外旅行保険に入ろうとしたら拒否された。
理由は準戦闘地域なので保証対象外。
生まれて初めて保険無しで飛ぶことになった。
成田からカンボジアまでの直行便がなかったので、タイ経由でプロペラの軍用機みたいなのに乗せられた。
カンボジアの滑走路は爆弾の跡で穴だらけだった。
空港施設の建物も壊れて無惨な姿に。
イミグレは露天のテーブルと係員だけ。
街に出れば膝から下の片脚ない子供たちが
ぴょんぴょんと跳ねている。
殺傷力の弱い小さな地雷のせいだ。
そんな地雷が住宅地の裏にも埋まっている。
目を覆いたくなる光景だけど現実だ。
日本のテレビは何故こういった事を伝えないのかな?って
その時は思った。
当時カンボジアにはUNTACのPKO活動で自衛隊が派遣されていてメディアもたくさん来ていたけれど、何故か日本では安全な部分しか放送されなかった。
「自衛隊は危ない場所には行きません!」ってことになっていたからね。
通りでは痛み止めの薬と称してビニール袋に入った、おそらく日本では禁止の乾燥草だと思う。
それを露天商が山積みにして売っている。
夕食をとった屋台が数時間後に爆破された。
翌朝、そこの前を通ったら無くなっていた。
客の誰かが反対勢力に狙われたらしい。
現地の通訳がそう言っていた。
日本はまだまだ平和だなって
本当につくづくそう思った。