夏だ!水遊びだ!
でも自分は覚えているだけで
これまでに3回溺れかけている。
最初は小学校時代の夏休み。
母方の田舎に遊びに行った時のことだ。
近くを流れる矢作川という川で遊んでいて、急な深みにハマってしまった。
強い流れで川底に押し付けられて上がるに上がれない。
その時はなぜか妙に冷静で、無駄にもがくのは諦めて川底に四つん這いになった。
そしてその姿勢のままで、川底の急な斜面を息が続く限り上へ上へとよじ登った。
「苦しい!もうだめだ!」
そう思って立ち上がったら、腰から上が川面から出ていた。
助かった。
2回目は大学生になってから。
夏に伊豆七島の式根島に海水浴に行った。
水中メガネ、足ヒレ、シュノーケルの3点セットを身に着けて素潜りを楽しんだ。
泳ぎは得意だったので、耳抜きしなければならないような深さまで潜っていた。
銛(モリ)を手にして魚採り。
大きな岩の隙間に魚の影を見つけて、すかさず銛で一撃。
ブルブルっという強い感触。命中だ。
ところが、仕留めた魚が予想外なヤツだった。
岩の隙間で見えなかったのだが、そいつはなんと巨大なウツボ!
あっちの方からアタマ、こっちの方からシッポが飛び出して来て(Ꙭ )
銛にぐるぐると巻き付いて怒りまくっている!
エ〜〜ッ!!!!
とにかく焦ったパニクった。ウツボはイヤだ。大嫌いだぁ。
海の深みの中で絶叫した!
ボコボコボコーッ!!! 声にならない!
大量の海水を飲み込んだ。苦しい!
咥えていたシュノーケルを口から振り飛ばして海面を目指して急浮上。
ところがゴム紐で手首に結んだ銛が、いくら振り回しても外れない。
銛の先には大きな口を開けて怒った形相のウツボが、とぐろを巻いて暴れながら一緒について上がって来る。
泣きそうになった。
最後は社会人になってから。
北海道の釧路川をカヌーで単独川下りしていた時だ。
上流部の落とし込み(小さな滝)にはまってしまいカヌーが転覆。
川底の岩に頭を強くぶつけ意識朦朧となり、転覆したカヌーに挟まって逆さまの状態で流された。
奇跡的に浅瀬に乗り上げ、顔面血だらけでカヌーからは脱出したけれど、積み荷のほとんどを流されてしまったので川下りは中止。
単独行だったし周囲は人気の全くない原生林。
もしあの時浅瀬に乗り上げていなかったら、一体どうなっていたんだろう?
間違いなく九死に一生を得たような状況だったんだと思う。
楽しい夏の水遊び
いつだって危険とは隣り合わせだ。
くわばらくわばら。