自分は本の虫だった。
本を読みあさり始めたのは中学に入った頃。
と言ってもそのほどんどが
推理小説とSF小説だったんだけどね。
縦長のぺーバーバック、ハヤカワミステリーと創元推理文庫。
それらが部屋の本棚にズラリと並んでいた。
その頃はほとんど一日一冊のペースで、寝る間を惜しんで読みあさっていた。
そんな中で唯一無我夢中になった歴史小説がある。
幕末の新撰組副長、土方歳三を主人公にした歴史小説。
おそらく生まれてはじめて読んだ歴史小説なのに
何度も読み返すくらいに夢中になった。
天然理心流 (武術というよりケンカ剣法に近い田舎剣術) を引っさげて
刀一本で天下の舞台に飛び出していく百姓(主人公)の姿に
心のどこかで惹かれたのかもしれない。
妙な親近感を覚えた。
小説の舞台は1860年代。今から160年前だ。
自分はすでに60年以上も生きたけど、その60年はあっという間だったよ。
だから160年前に生きた土方歳三だって
自分のふたり後ろを振り返って声をかければ
きっとすぐそこにいるはずなんだ。
高校では剣道部に入った。
自分が剣道を本格的に始めたのも
じつはこの本を読んだからなんだ
「燃えよ剣」は最近になって映画化もされている。
小説とは少し別の視点からストーリーを組み立ててはいるけれど
よりドラマチックになっていて楽しめる。
岡田准一。
映画「ザ・ファブル」のコミカルな殺し屋役も好きだけど
この土方歳三役もかなりハマっていると思うよ。
久しぶりにまた観てみようかな。
さてさて・・・
今日は和室の片隅でのんびりと
木刀の手入れをしたよ。
専用の天然椿油を使って丁寧に磨くんだ。
いちばん上が赤樫の木刀
二番目がイペ材の黒木刀
三番目が赤樫の太木刀
そしていちばん下が鋼の素振り棒
重さ4kgの鍛錬用だ。
なかでも太木刀は中学の頃から振り回しているから
相当に年季が入っている一振りだ。
わが家の護身用でもある。