とらや 赤坂本店
まだ20代だった頃、お世話になっていた会社がこのすぐ近くにあったんだ。
当時まだ駆け出しの若造だった自分は、年末になるとよく此処に使い走りさせられていたんだよ。
お得意さんに年賀で配る羊羹を買いにね。
お店の前に下がっている
「やらと」
と書かれたとらやの暖簾。
これを見るといつも、その頃のことを思い出す。
”やらと”の暖簾。
昔の日本では横文字を
右から左に書いていた。
その事を最初に知ったのは小学生だった頃。
名古屋に住んでいた時に家族で愛知県犬山市にある明治村って所に遊びに行ったんだ。
明治時代の街を再現したテーマパーク。
その時に乗った昔の電車の切符の文字が、右から左に書かれていたんだよ。
こんな感じにね。
それを見て不思議そうな顔をしていた自分に
その時の車掌さんが教えてくれた。
「昔は右から読んだんだよ」ってさ。
でも不思議に思うんだ。
ほんとに昔の人って、上の切符みたいにさ、右から左に日本語を書いていたのかなぁ?
実際に書いてみればわかるけど、これめちゃくちゃ面倒くさいよ😅
やってごらん。
右利きだと書いた文字が次々と隠れて見えなくなっていくんだよ。
文字間だってめちゃくちゃになりそうだよ。
ぜったい字が下手になるよ。
鉛筆書きだと手の平の小指側の側面が鉛筆粉で黒くなるんだよ。
それってすごく嫌だ。
左から右に書いていく英文や横書きだと汚れないけどね。
まぁ昔は巻き物に書いていたんだから、左手に巻き物を持って右手で紙を引っ張り出して、紙の右端から縦書きで左へって流れになったのだろうし
毛筆を立てて書くわけだから、鉛筆のように手の平が触れて汚れることもないか。
でもそれって毛筆縦書き前提の話でさ、日本語の横書きで右から左はないだろう。
あと、右から左の話しついでに、もうひとつ思い出した。
いつだったか飛行機で隣に座ったアラブ系?の人が、左から右にページをめくって本を読んでいた。
横文字なのに日本の本と同じなんだって思って見ていたよ。
アラビア語は英語と逆で右から左に読むって事は知ってたけど、実際に読んでるのを見たのは初めてだったな。
それだけの話なんだけど・・・・・・
だいぶ脱線したな。
そんなことをあれこれ考えたり思い出したりしながら
今この記事を即興で書いているわけなんだけど
そう、今日の記事は完全アドリブ先行の書いて出し。
話を戻しましょう。
実に久し振りにとらや赤坂本店の "やらと" の暖簾をくぐってみた。
いい香りがした。
深く息を吸って店の奥へ。
お店限定の生菓子と
ラムレーズンの入った羊羹を買った。
いよいよ俺もこんなもんの良さがわかる
そんな歳になったんだなぁ~
あんこ嫌いで大酒飲みだった自分がさ
そうしみじみ思ったよ😊
おしまい